照明のプロが寝室にダウンライトを選ばなかった理由

照明の選び方には、正解も不正解もありません。

すべてをシーリングライトにする家。

反対にすべてをダウンライトにする家。

人の好みと暮らし方は様々です。

私は約10年前に注文住宅で家を建てました。

リビング・キッチン・廊下はダウンライトですが、

寝室は引掛けシーリングにシーリングライトを設置する方法を選びました。

住宅照明提案歴20年の私がなぜそうしたか。

理由は簡単。

「照明は適当でいい」とか、「ただなんとなく」と決めたのではなく、

私たちの暮らし方にはシーリングライトが使い勝手がいいと考えたからです。

目次

洋室は人と家具の移動が多い

いわゆる「洋室」とよばれる、寝室や子ども部屋として使われる部屋。

こういった部屋は

リビングやダイニングに比べ、

使う人が変わったり、家具の位置が変わることが多い部屋です。

我が家は4人家族、そして洋室は3部屋。

娘が小2、息子が0歳のときに今の家に住み始めました。

住み始めたときは1部屋に家族4人、布団に川の字で寝ていました。

入居と同時に娘の部屋を作りましたが、しばらくの間、寝るときは一緒でした。

その後ベッドを購入し、寝る向き(頭の方角)が変わりました。

さらに、娘が高校卒業と同時に、夫と娘が部屋を交換しました。

こんな風に、

使い方も使う人も、

住み始めたときと今では異なります。

子どもが小さいときに住み始めた場合は、

よくあるケースだと思います。

ダウンライトのメリット・デメリットを知る

ダウンライトは多くの人に好まれる照明器具です。

ダウンライトのメリットは空間をすっきりと見せること。

ですが、デメリットは上を向くと眩しく感じることと、

器具交換に資格が必要なことです。

リビングダイニングでも寝室でも均等に部屋を明るくするために、

まんべんなくダウンライトを配置すること(↓写真参照)を好まれる方が多いです。

しかし、本当は家具位置や生活シーンに合わせて配置した方が

部屋もダウンライトも良さを発揮できるのです。

洋室にシーリングライトが使い勝手がいいと思った理由

洋室に「まんべんなく」ダウンライトを部屋に配置すると、

ベッドの位置が変更になったり、使う人が変わったときに

「まぶしい」など、不具合が生じます。

入居時以降、洋室はベッド位置の変更があったり

使う人が変わる可能性が多いと思ったので、

ダウンライトよりも引掛けシーリングを使用した照明器具の方が、

これから子ども達が成長していく我が家には使い勝手がよかったのです。

娘の部屋と寝室の照明
照明器具 真下から

今後子どもが独立後に、もし家を建てる機会があるのならば、

寝室でベッドの位置を変更する可能性は今より低くなります。

そんな時はベッドの足元あたりにダウンライトという方法もいいなと思っています。

淡路島の貸別荘の寝室

寝室でも使えるダウンライト

寝室や子ども室などをダウンライトにする場合は、

明るさを調整できる調光付きダウンライトや、

まぶしさを防ぐパネル付きダウンライトなどがおすすめです。

調光付きダウンライトは、頭上がダウンライトの真下になっても明るさを暗く調整できます。

また、パネル付きダウンライトは、

ダウンライトの点の光をパネルが面の光にして眩しさを和らげてくれます。

パネルがついたダウンライト「パネルミナ」

すでにダウンライトでお困りの方は

寝室や子ども部屋がダウンライトの眩しさでお困りの方は、

就寝前にベッドにゴロンとするタイミングでダウンライトは使用せず、

フロアライトやテーブルランプなどを点灯されるのはいかがでしょうか。

これはリビングでも同じことが言えるのですが、

天井の照明だけで暮らそう、済ませようと思うから出てくる問題です。

「ダウンライトが寝たときに眩しい。照明計画失敗した!」と

嘆く人が減る日を願いたいです。

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