今月もご覧いただき、ありがとうございます。
5月は「家族みんなの“ちょうどいい灯り”」についてお伝えしたいと思います。
「私は電球色の温かみのある光が好き。でも家族は白い昼白色がいいと言うんです」
こんなお悩みをよくお聞きします。
光の色や明るさの好みが違うのは、決して珍しいことではありません。
味覚や部屋の温度の感じ方が人それぞれ違うように、灯りの好みもそれぞれなのです。
だからこそ、誰かひとりの感覚に合わせてしまうと、
知らないうちに、ほかの誰かが我慢をすることにつながるのです。
20年後に知った、夫の好み
これは、私自身の失敗談です。
結婚したときも、家を建てたときも、
夫は照明について、希望も不満も口にしませんでした。
だから私は
「照明には無関心なのだろう」と思い込んでいたのです。
けれど、実はそうではなく、
照明の仕事をしている私に、自由に任せてくれていたようです。

夫の本当の好みを知ったのは、
結婚して20年以上経ってからです。
子ども達の成長とともに、
家族がそれぞれ自分の部屋を持つことになり、
誰がどの照明を使うかと相談していたときのことでした。
ふと、夫が「俺は白い光の方が好きやねん」と。
そのとき、夫の好みを初めて知りました。
自宅とはいえ、家族の好みや意見を聞かずに決めていたことは、
振り返ればプロとして大きな反省です。
そして、我が家で唯一の昼白色(白い光の色)の照明は
もちろん夫が使うことになりました。
自宅の照明は「“あかり”ギャラリー」にて公開しています。
家族みんなの“ちょうどいい”の見つけ方
リビングでは明るさが欲しいけれど、
映画を観るときは少し暗くしたい。
寝室では、先に眠る人もいれば、
もう少し本を読みたい人もいる。
大切なのは、どちらかが我慢をするのではなく、
お互いの心地よさを言葉に伝えあうことではないでしょうか。
そうすることで、家族みんなの
“ちょうどいい”を見つけることができると感じています。

実際にご家族で心地よさについての話し合われた方からは、
こんなお話をお伺いしました。
・部屋ごとに灯りを変えている
・朝と夜で光の色を使い分けている
部屋や時間帯によって、
「誰の好きな灯りにするか」を決めるのも素敵ですね。
大きな失敗をした私だからこそ、
灯りを通してお互いの好みを知り、思いやることは
家族の空気を柔らかくしてくれることのひとつなのだと思っています。
灯りを重ねる
まずは、
今の灯りを少し変えて試してみることで
家族みんなの“ちょうどいい”が見つけやすくなります。
電球の色を変えてみる。
明るさを一段階落としてみる。
ランプを一つ足してみる。
ほんの小さな変化でも、
「なんだか落ち着くね」「この明るさ、好きかも」と
明るい、暗い、以外の会話が広がっていきます。

また、
シーンごとに灯りを分けること もひとつの方法です。
くつろぐ時間の灯り。
読書のための灯り。
映画を楽しむための灯り。
天井照明ひとつで解決しようとせず、
役割ごとに灯りをプラスすることで、
自然と“ちょうどいい”は見えてきます。
小さな灯りを重ねることで、
それぞれの好みに寄り添った空間がつくりやすくなります。
ランプ選びで大切なこと
テーブルランプは、デザインもカラーも、とても豊富です。
選ぶときのポイントは、
妥協しないこと。
「飽きるかもしれない」
「インテリアに合わないかもしれない」
「いきなり高価なものは勇気がいるから、このくらいにしよう」
そんなふうに考えて無難なものを選ぶと、
実は満足度は思った以上に上がらないことが多いです。
少しカラフルでも
少し個性的でも
少し背伸びをする価格でも
「これが好き」と心が動くものを選ぶこと。
それが、毎日の気持ちを豊かにしてくれます。
私がかなり背伸びをして購入したランプがこちらです。
購入して2年以上経過しても、見るたびに「かわいい」と愛でています。

小さな灯りから
誰かに合わせるのではなく、
みんなが心地いいと思える空間で過ごす。
そのために、テーブルランプやフロアランプを
ひとつ加えてみませんか。
家族みんなの“ちょうどいい”を大切にしながら、
自分の「好き」も大切にする。
ほんの小さな灯りの変化から
やさしい暮らしへと繋がっていくと思っています。




